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「最強の地域医療」 [本]

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先月29日の日経新聞「春秋」でこの本のことが取り上げられていました。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO16990580Z20C17A5MM8000/

 

 

薬剤師の資格を取られてから思うところあって医学部に入り直し、32歳で医師の資格を取られたという経歴の持ち主です。

 

 入院してみて、病室での生活がいかに患者の体力や精神力を奪うか身にしみたという。

 

という文章に興味をもって読み始めてみましたが、確かにそういうことも取り上げられていますが、この本で言いたかったことは書名通りで、財政再建団体になってしまった夕張市で感じたこと、やって来たことを通じて今の医療特に地域医療や健康保険、そして患者の取扱というものの問題点を提示し、どうすれば良いのかということが述べられています。

 

たまたま4月から5月にかけて生まれて初めての入院と手術を経験した後だったので手にしてみました。




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P.64 

 専門的な医療は都市部に集中的に配置して、地方では予防やケアと連携して支える医療機関にしていくべきです。日本の医療は優秀なので十分に対応していけると思いますし、24時間体制や常勤にこだわらなければ十分に医師の派遣ができると思います。

 例えば循環器の心臓カテーテルの上手い先生が3人いるとします。

 今の発想では3人の先生方を3か所の病院に派遣して「3か所の医療機関の循環器の医師を充実させた」と言っていますが、本当はこの3人の先生を都市部の1か所に集めて24時間体制で稼働させてでも医師たちが交替で休みをとれるようにすることのほうが大切です。

 

治療を受けている病院でも大学病院は専門的な高度な医療を行い、地域の病院でできることは地域に任せる、という意味のことがディスプレイに流れますが、まさにこういうことを言っているのでしょう。



例えば食事についてみると入院生活では想像したような食事ではなくよく考えられた美味しいものと感じたのですが、これは病院が大学病院だったからだったのかもしれないと思えます。

 

 

P.45

 私は今までの病院より、むしろ大学病院のほうが高度で専門的な医療に特化していて、ケアが二の次になっているイメージで、生活面での待遇やケアは以前より悪くなると覚悟していました。

 しかし大学病院はお世辞抜きで、今まで経験してきた中では看護師さんたちの接遇や手技は一番良かったと思いましたし、目配りや気配りが利いていてプロの仕事だと感じました。


 

 



最強の地域医療 (ベスト新書)

最強の地域医療 (ベスト新書)

  • 作者: 村上 智彦
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2017/04/08
  • メディア: 新書

 

P.129

 ある本の中で「今までの医師は死を敗北とする技術職であったが、これからは死を必然と認めて天寿を全うさせるサービス職となること」と表現されていますがその通りだと思います。

 


この本が出版されたのは今年4月20日ですが、著者の村上さんは5月11日にお亡くなりになったそうです。



医療にたかるな (新潮新書)

医療にたかるな (新潮新書)

  • 作者: 村上 智彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/03/01
  • メディア: 単行本

村上スキーム―地域医療再生の方程式 夕張/医療/教育 (HS/エイチエス)

村上スキーム―地域医療再生の方程式 夕張/医療/教育 (HS/エイチエス)

  • 作者: 村上 智彦
  • 出版社/メーカー: エイチエス
  • 発売日: 2010/06/29
  • メディア: 単行本

白血病から仲間の元へ

白血病から仲間の元へ

  • 出版社/メーカー: ものがたりくらぶ出版
  • 発売日: 2016/06/29
  • メディア: Kindle版

白血病闘病中: 村上智彦闘病記

白血病闘病中: 村上智彦闘病記

  • 出版社/メーカー: ものがたりくらぶ出版
  • 発売日: 2016/03/28
  • メディア: Kindle版

 

医師もそうでない人も永遠に生きることはできない。

 

いざとなったら治療を望むのか望まないのか、それはそれまでの人生がどうであったかによるのかもしれません。

 




 

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夫人と婦人:「ツバキ文具店」 [本]

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4月に始まったNHKドラマが気に入ったので原作を買ってみました。

この作家さんの作品を読むのは初めてですが、『食堂かたつむり』の作者ですね。

『食堂かたつむり』は評判になった作品ですが、Amazon のコメントでは毀誉褒貶相半ばすると言いますかネガティブな意見が多いようですが、こちらの作品は評価が高いです。

こういう作品が書けるのであればけなされている作品もなんらかの意図があって書かれていると考えた方が良いでしょう。

ところでドラマを見ている時は特に意識に引っ掛からなかったのですが、 “バーバラふじん” という人物が登場します。

ドラマでは江波杏子さんが演じていますが、 “ふじん” は “夫人” だと思っていました。

ところが本を開いてみると “婦人” と表記されています。

NHK の HP でもそう表記されています。 

http://www.nhk.or.jp/drama10/tsubaki/

“婦人” は「婦人画報」「婦人公論」や婦人服、婦人科、貴婦人、婦女子など女性(どちらかといえばある程度の年齢以上の)を意味しますが、”夫人” ですと夫のいる、或いはいた女性となります。

歴史の登場人物や文学や音楽の作品でも

 ポンパドゥール夫人

 蝶々夫人

 真珠夫人

 ボヴァリー夫人

 チャタレイ夫人の恋人

 武蔵野夫人

“夫人” はよく登場しますが、“婦人” はちょっと見当たりません。

 

「ツバキ文具店」では “バーバラ婦人” はちょっと謎めいた隣人ですが、 “婦人” を使ったのは作者にはっきりとした意図があるからでしょう。

 

主演の多部未華子さんは先日放送されたミュシャを取り上げた番組でも出演されていましたが、何年か前の「鹿男あをによし」での印象が強く残っています。

 

 

放送が全部終わってから、次の入院の時にでも読んでみようと覆います。









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クラシックカメラ好きに [本]

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入院生活に慣れて来て時間の過ごし方も要領がわかって少し余裕ができたので、新聞を買うついでに読みやすそうな文庫本を二冊買ってみました。
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読んだことのない作家さんですが、クラシックカメラが登場するというので興味を持ちました。
一日一冊のペースで、もう読み終わりました。
深みを求めるような小説ではありませんが、クラシックカメラが好きな人には楽しめる内容です。
名前だけ登場するものを含めて一覧にしてみます。
谷中レトロカメラ店の謎日和 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

谷中レトロカメラ店の謎日和 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 柊 サナカ
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2015/09/04
  • メディア: 文庫

『谷中レトロカメラ店の謎日和』
    1. ドリウ2-16、コダック シグネット35、ビトーB、コンタックスIIa、イコンタ・ユニバーサルシックス、
        ローライフレックス
    2. ベッサII、ピクニー(宮川製作所)
    3. ハリネズミカメラ
    この章では野良猫の里親探しの活動をされている方や blog が登場します。
    4. リコーオートハーフ、ポラロイドSX70
    5. ニコンF(640F)
    6. ステレオグラフィック、ローライドスコープ、ゼンザブロニカS2
    7. ライカIIIf
谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 柊 サナカ
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2016/10/06
  • メディア: 文庫
『谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法
    1. ニコンF2 チタン ノーネーム,ニッコール50mm、ニコマート, ニッコール24mm、ニコンS3
    2. ヤルーフレックス、ライカM3 オリーブ, スリークラウン, IIIc
    3. プラウベルマキナ67、小西本店 木製プロトタイプ(?)
    4. コンタックスIIa
    5. エコー8(鈴木光学)、ミノックス、フォトスナイパー、シグマ200-500mm F2.8
    6. テレカ(東興写真)、ラメラ(興和光器製作所):ペンタックスLX
    7. ツァイスイコンSW, T*21mm 
使ったことのあるカメラは一つもありませんが、ロマンスもあって、楽しめる内容になっています。
わたしが初めて使ったのはオリンパス PEN で、初めての一眼が オリンパス OM1、憧れて買ったのが ニコンF3 でした。
F3 はハイアイポイントが出る前でしたが、シャッターの切れる感触に惚れてしまいました。
また使ってみようかななどと思い始めています。






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お茶と読書 [本]

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若い頃は読書が一番の楽しみでしたが、このところ読書量も落ち着いて CD を聴くことも少なくなってしまいました。

 

本を買う時は Amazon を利用することが多いので書店に立ち寄ることがめっきり少なくなったのですが、先日は読むものが欲しかったので道路沿いにある書店に入ってみました。

 

賞を取ったものをすぐ買って読むことはほとんどないのですが、今回は題材が音楽コンクールだったので興味を持ちました。

第156回直木三十五賞『蜜蜂と遠雷』。



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軽食とお茶をいただきながら本を読むのは幸せな時間です。



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コーヒーにはうるさいのでなかなか満足するものには出会えないのですが、DOUTOR のはあれこれ考えずに飲むことができるのでこのところ利用することが増えました。



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こちらはモスバーガー。

特に気に入っているわけではないのですが、最近多くなったエスプレッソは好みではないのでドリップコーヒーを出してくれるところを選びます。



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蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷






まだ読んでいないのですが、一緒に買った医療ミステリーの方が薄かったので先に読み始め、今日読み終わったので明日からこれを読むことにします。


羊と鋼の森

羊と鋼の森

  • 作者: 宮下 奈都
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/09/11
  • メディア: 単行本

2016年の本屋大賞『羊と鋼の森』も調律を扱っているので読んでみたいです。







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シーボルトとお瀧さん [本]

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吉村 昭 さんの小説は以前読み終えたのですが、先日国立科学博物館でシーボルト展を見た後ミュージアムショップに立ち寄ると、書籍コーナーに「ひどらんげあ おたくさ」という本があるのが目に入りました。


高田さんというお名前は存じあげなかったのですが、脚本家として実績のある方のようです。



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先日読み終わったのですが、ずいぶん違うものだなというのが一番の印象です。

 

吉村さんの方はお瀧さんとシーボルトとの関わりに始まり、孫である 高 までの物語が綴られていて子の 伊禰 の物語にも大きなスペースが割かれています。

 

高田さんの方はシーボルトとの別れまでで、最後の方で再来日の様子が描かれています。


 

違いはそれだけではなく、お瀧さんが遊女になった年齢、その理由、家族構成、シーボルトとの結びつきにまつわるエピソード、などなど細かい部分でかなりの違いがあります。

 


史実は変えることはできないでしょうが、会話の内容や登場人物が思ったことなどは作家の想像力の産物でしょうから違いがあって当然ですが、例えば拝領の羽織が贈られるに至った経緯など、ずいぶん違った印象を受けます。



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シーボルトが国外追放になって船で帰国する様子など全然違います。


が、吉村 さんの作品では描かれないエピソードが 高田 さんの作品にはあって、一番興味深いのはオオサンショウウオにまつわるものです。


二匹のオオサンショウウオが捕獲されて夫婦とされて生きたままオランダ行きの船に乗せられたのはシーボルト展での説明と符合します。

一匹は途中で共食いで食われてしまい、オランダに届いたのは一匹だけだったそうですが、60年も生きて人気を集めたというのも符合します。

 

読み比べると小説としては 吉村 さんの作品の方がしっかりとした小説という印象で、高田さんの作品はどちらかといえば歴史を素材にした読み物という印象です。


しかし高田さんの作品がフィクションの部分が多いとも言い切れないのです。


そのほか吉村さんが
 メーストル(外科医)
としているところを高田さんは
 メイストル(師)
とするなど訳語にも少々違いがあります。

またお滝さんの源氏名が吉村作品では始めの頃は 其扇(そのおおぎ)としていたものが シーボルトが ソノギ と呼ぶのに合わせたのか途中から そのぎ と表記されているのに対し高田作品では最初から其扇(そのぎ)としています。


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翻訳ソフト長崎方言への)を使用して長崎弁を話す人にもチェックしてもらったという会話は味わいがあります。


一度読んでみるもの無駄ではありません。

 

昔当時大変人気のあった脚本家(Uさんとしておきます)の小説を読んでみて後悔したことがあります。

情景や心情描写がお粗末極まりなく、なるほどドラマというものは俳優が演じて完成するのだからそれらのニュアンスは俳優が作り上げるのであって、脚本というものは誤解を恐れずにいうならば半完成品なのだなと納得し、それ以来脚本家の書く小説というものは読む価値がないのだと思っていました。

向田邦子さんはやはり別格なのだなと。

 

 

しかし今回この作品を読んでみて、これならまあいいかと思えました。

 

吉村作品に描かれる "シーボルト事件" に関わった人物たちの断罪の様子は凄まじく、高田作品ではその点はあっさりしていて物足りない思いが残ります。



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シーボルトが実際にどういう記録を残しているのか知りたくなったので、この本を買ってみました。


 

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江戸参府の際の記録ですが、シーボルトの残したものは大変興味深いです。

 


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これから読んでみることにします。





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川原慶賀の原画と楠本イネ、高子などの写真 [本]

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今日の日経新聞最終面にシーボルトの「フローラ・ヤポニカ」の原画を描いた川原慶賀の画集が紹介されていました。

川原慶賀の「日本」画帳《シーボルトの絵師が描く歳時記》

川原慶賀の「日本」画帳《シーボルトの絵師が描く歳時記》




Amazon を探すと、「シーボルト展」で展示されていたような人物画を集めた本もあります。

江戸時代 人物画帳 シーボルトのお抱え絵師・川原慶賀が描いた庶民の姿

江戸時代 人物画帳 シーボルトのお抱え絵師・川原慶賀が描いた庶民の姿

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2016/09/07
  • メディア: 単行本


「フローラ・ヤポニカ」の原画集まで出版されています。


シーボルト日本植物図譜コレクション(DVD付)

シーボルト日本植物図譜コレクション(DVD付)

  • 作者: T.A.チェルナーヤ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/06/28
  • メディア: 単行本

川原慶賀の力量を知るには格好の資料です。




レンズが撮らえた幕末明治の女たち

レンズが撮らえた幕末明治の女たち

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2012/03
  • メディア: 単行本





さて絵画だけでなく、シーボルトの子孫の写真が掲載されている本がありました。

幕末・明治の美人や当時の写真家の作品などが収録されています。

 

シーボルトとお滝さんの娘、イネ(のちの楠本伊篤。かなり高齢)、その娘高と夫三瀬修造(諸淵)の写真も収録されています。

 

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写真の著作権は切れているはずですので、転載します。

 

 

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そのほか歴史上の人物では新島八重と襄、高杉晋作、木戸孝允、徳川慶喜、渋沢栄一等々とその家族たちが収録されています。

坂本龍馬も見慣れたポーズでない写真が掲載されています。

樋口一葉、与謝野晶子、平塚らいてうの写真もあります。

 

当時の風俗も記録されていますが、この本のメインは当時の美人たち。

"東京百美人" として、美人コンテストの入賞者たちが紹介されています。

どんな美人が写っているのかは実際に中をご覧いただきたいと思います。


表紙を飾るのは陸奥宗光の奥さん、陸奥亮子さん。

正面からの写真も中に収録されています。

 

外国人写真家が写した日本、当時の名のある写真家が写した女性たちも収録されています。

高子さんや玉村康三郎という写真家の写した芸妓などは今でも美人として通用する容貌ですね。



写真の技術の変遷も見ることができて大変興味深いです。


明日は母の通院の日なので朝の更新はお休みします。

【中古】シーボルト日本植物図譜コレクション(DVD付)





「君は変じゃない」 [本]

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黒柳さんの本を読むのは『窓ぎわのトットちゃん』以来ですが、NHK ドラマ「トットてれび」を視て読んでみたくなりました。

ドラマをご覧の方も多いと思いますが、前回の渥美さんとのご縁を描いた回が特に良かったですね。
その前の向田さんの回も見事でしたし、留守番電話のエピソードなども良かったですが。


渥美さんの回で忘れられないのは渥美さんの最後の留守番電話の声を繰り返し聞く場面。
真剣な目。
何度も何度も再生する、セリフのないその場面とそれに続く残された奥様の話を聞く場面。
留守番電話の声が、最後に現実の声にかわる演出も良かったですね。
喋りすぎて "チャック" というニックネームを奉られた黒柳さんが一言もしゃべらないそれらの場面が心に迫ります。

あんなに親しくして噂になる程仲の良かった渥美さんは病気のことを全然気取らせなかった。
「お兄ちゃん」と慕ってくれる「お嬢さん」は渥美さんにとって現実の世界の妹のような存在だったのかもしれません。
『星の王子さま』を教えてくれた "お嬢さん" は、渥美さんにとっては本当に疑うことを知らない子供のような心を持った『星の王子さま』の世界の人のように思えたのかもしれませんね。

私生活を見せなかった渥美さんや高倉さんは本当のプロではないかと思えます。


『トットチャンネル』を今朝から読み始めて半分ほど読みました。
目頭が熱くなったり、おもわず笑ってしまったり。

本当にあのトットちゃんがそのまま大きくなったのですね。

子供のような心を持ち続けるのは難しいことです。
パンダやチンパンジーなどの動物が黒柳さんを特別な態度を取るのは動物がそういう人柄を感じ取る力があるからなのかもしれませんね。


私はいつそんな心をなくしてしまったのだろうと思い、黒柳さんがうらやましくなります。






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続編:『太陽がいっぱい』 [本]


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名作『太陽がいっぱい』については説明の必要はないでしょうが、なかなかリマスターが出ないなと思っていたら DVD もブルーレイももうとっくに発売されていたようです。


 


最近書店に立ち寄って見つけたのは『太陽がいっぱい』の原作者パトリシア・ハイスミスによる続編です。

 

贋作 (河出文庫)

贋作 (河出文庫)

 

 

 

 

太陽がいっぱい (河出文庫)

太陽がいっぱい (河出文庫)

  • 作者: パトリシア ハイスミス
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/05/07
  • メディア: 文庫





音楽はもちろんニーノ・ロータ。
サントラ集のレコード、ニニ・ロッソのトランペットでも親しんだものです。
「ゴッドファーザー」、「道」、「ロミオとジュリエット」など良い曲ばかりですね。

アラン・ドロンの出世作で、演ずるのは平凡でお金はないがちょっと見てくれの良いトム・リプリー。
頼まれてリッキー(ディッキー)・グリーンリーフを連れ戻しに行きますが、お金があって美人の彼女(マルジュ)もいて遊んでいられる身分に憧れます。

印象に残っているのはグリーンリーフのサインを真似するシーン。
映写機で投影してなぞっていましたね。



太陽がいっぱい 最新デジタル・リマスター版 [DVD]

太陽がいっぱい 最新デジタル・リマスター版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2011/05/27
  • メディア: DVD


太陽がいっぱい 最新デジタル・リマスター版 (Blu-ray)

太陽がいっぱい 最新デジタル・リマスター版 (Blu-ray)

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: Blu-ray


リメイクで『リプリー』が作られていますが、それは観ていません。
"リプリー" は『エイリアン』のヒロインの名でもありますね。

『ウェストサイド物語』もきれいにリマスターされた版が出ています。
『卒業』はブルーレイが出ているものの、画質は良くないようです。


映画では完全犯罪は崩れますが、原作では成功しているのでこうして続編ができたわけです。
原作は映画の後で読みましたが、原作をほぼ忠実に映画化しているという印象でした。

なお、原作者は 1995年、訳者は 2011年に亡くなっています。

『太陽がいっぱい』の方はきれいにリマスターされたているとあったのでつい注文してしまいました。
続編を読む前にもう一度体験しておきたいと思います。







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一流品はどうして一流なのか [本]

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しばらく前に宮城県の物産展で大橋堂さんの万年筆を見ていた時、展示ケースの上に置かれていたこの本を何気なくめくりました。

『なぜ、一流品なのか 読むオシャレ・24章』 草柳大蔵
  大和書房 1990年4月5日第1刷

"まえがき" で大橋堂さんの万年筆について触れられていました。
外国人のお知り合いにその製品を贈ったところ

 最初は、「サンキュー・ベリ・マッチ」程度の礼状だったが、3か月ほどすると、「よい仕事の結果と一緒に暮せてとてもしあわせだ」という内容の手紙が来た。

   一流品とは何か、と問われれば「よい仕事がしてあること」と答えればそれで充分だろう。「よい仕事」とは、第一に材料が吟味され、しかも生きていることだ。

本文では大橋堂さんは取り上げられていませんが、短い文章ながらでその品質の良さが雄弁に語られています。

本文では誰もが知っている有名ブランドが取り上げられていますが、だたそれらの製品を賛美するのではなく、どのようにしてそのブランドが起こり、一流品となったのかが語られています。
(ブランドの表記は記述に従います)

 カール・ラガーフェルドの背景
 ジョルジョ・アルマーニの背景
 ジャン・F・フェレェの背景
 ジャンニ・ベルサーチェの背景

 ダナ・キャランの語るもの
 ソニア・リキエルの語るもの
 ラルフ・ローレンの語るもの
 ベネトン姉弟が語るもの
 ステファネルが語るもの

 ルイ・ヴィトンの箱の中味
 エルメスの仕事場の中味
 ロエベとスペインの中味
 タニノ・クリッシィの成長の中味
 フェラガモの女の靴の中味

 バーバリーと医者のつきあい
 レイバンと太陽光線のつきあい
 カルティエと戦車のつきあい
 ロレックスと潜水艦のつきあい
 ファイロファクスと牧師のつきあい

 リチャード・ジノーリの白さの秘密
 ウェッジウッドの藍の秘密
 ジョージ・ジェンセンの銀の秘密
 バカラの輝きの秘密
 ティファニーの才能の秘密

大部分は知っているブランドですが、持っているものは少ないです。
バカラでさえ知らない人は知らないらしいのですが、この中で私にとって最もなじみの深いのはバカラです。

知らなかった事の中で印象深いのは リチャード(本国では リシャール)・ジノーリ と ウェッジウッド です。

P. 202
 イタリア、ナポリの カポ・デ・モンテという土地に王室御用窯が造られた
 造った カルロ三世 のお妃の マリア・クリスティーナ は
  マイセンの創立者サクソニア王兼ポーランド王の アウグスタス二世 の王女
 
 1759年 カルロ三世が スペインに移る事になった時、陶工も連れて行った
 窯は 1820年に公売にかけられ、ジノーリが残された型など全てを購入した

P.210〜214
 ウェッジウッドのジャスパーウェアを造った ジョサイア・ウェッジウッドの娘スーザンは
  チャールズ・ダーウィンの母となった
 長男ジョンは王立園芸協会を設立
 次男ジョサイアは後継者となった
 三男トマスは死後写真の発明者のひとりとされた

触れられなかった一流品はもちろんたくさんあるのですが、読んでみるとそれぞれのブランドが一流と呼ばれるようになったのには理由があるのだということがよくわかります。

一流品だから良い、というよりも良いから一流品なのでしょう。
本を読んだからといってすぐに買ってみようと思うわけではないのですが、音楽に限らず背景を知ることは無駄ではないし大事なのだなと思います。






「ファンダンゴ」でもよかった:「ボレロ」 [本]

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今まで地震とは縁がないかのように思っていた九州で大きな地震が、それも何度も続いています。
TV では地震関連の報道ばかりです。
お城や神社の衝撃的な映像も流れています。
丈夫であろうと思っていたこうした建物で大きな被害があったのは今回のような災害とはあまり縁がなかったからだろうかと思ってしまいます。

新しいように見える住宅も無残な事になっています。
"家" は安心できる場所の筈なのですが、人の作るもののあっけなさというものを改めて感じさせます。

活断層の上には重要な施設はやはり作れないのだなと思います。

阪神・淡路の時の事やまだ記憶に新しい東日本の時の事が頭をよぎります。
大雨の予報も出ています。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げると共に悪天候下でのご無事をお祈り申し上げます。


出かけるつもりだったのですが、やめました。
以前書店に立ち寄ったときパラパラとめくってみて面白そうだった本を買ってあったのを開いてみました。

「名曲誕生 時代が生んだクラシック音楽」
 著者:小宮正安
 株式会社 山川出版

次の曲が取り上げられています。
作曲者名の後ろは作曲年です。

 オルフェオ モンテヴェルディ 1607
 怒りの日 リュリ 1683
 コーヒー・カンタータ バッハ 1732 - 1734
 フルート・ソナタ フリードリヒ二世 一八世紀
 トルコ行進曲 モーツァルト 1784以前
 戦時のミサ曲 ハイドン 1796
 ウェリントンの勝利 ベートーヴェン 1813
 幻想交響曲 ベルリオーズ 1830
 ラ・カンパネッラ パガニーニ 不明
 ピアノ協奏曲 ハ長調 チェルニー 1827
 シチリア島の夕べの祈り ヴェルディ 1855
 ローエングリン ワーグナー 1850
 幻想的ワルツ グリンカ 1856
 モルダウ スメタナ 1874
 大学祝典序曲 ブラームス 1880
 交響曲第六番<悲劇的> マーラー 1903 - 1904
 ピアノのための組曲 シェーンベルク 1921 - 1923
 ボレロ ラヴェル 1928

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 ジャズ組曲第二番 ショスタコーヴィチ 1950
 ロビン・フッドの冒険 コルンゴルト 1938
 トゥーランガリラ交響曲 メシアン 1946 - 1948

フルート・ソナタはバッハかなと思ったらフリードリヒ大王でした。
全部は読んでいないのですが、チェルニーやコルンゴルトなどが取り上げられているのが目新しいですね。
なぜトルコ風音楽が人気だったのかなど、興味深いです。
ショスタコーヴィチと国家の関係がどうだったのかなど理解しやすく述べられています。

最初に読んだのは「ボレロ」です。
ラヴェルの晩年など、知ってはいても改めて読むと運命の残酷さを思います。
なぜ軍隊に志願したのかは分かるようでやっぱり分かりません。
スペインの音楽 "ボレロ" とどう関連があるのかわからない「ボレロ」ですが、あまりタイトルは重要ではなかったのとの事。

珍しい、ラヴェルの軍隊時代の写真が掲載されています。
最近の本は手間がかかるためかこうした写真などを使う本は多くはないように思います。

読んで損はない内容です。